フランス長期滞在ビジタービザの申請方法!必要書類事例も網羅

ビザ関連

こんにちは!のんちゃんです。
今日は、フランスに長期滞在するための長期ビジタービザの申請方法について私の体験談をご紹介します。
必要書類などはフランス大使館のサイトに掲載されているのですが、説明が不足していて分かりづらい点も多く、苦労されている方も多いと思います。
この記事では、実際に私が長期ビジタービザを申請した手順と、提出した書類等についてご紹介します。
手戻りなく発行されましたので、参考にしていただければ幸いです。

フランスのビザの種類について

まず、本記事では、「長期ビジタービザ」について解説します。
フランスのビザの種類には主に以下のものがありますが、今回は、3か月以上1年以内(更新可能)の、観光・個人的な訪問を目的とした滞在を対象にしたビザの事例になります。基本的に、フランス人の家族がいたり、駐在やワーホリ、留学等以外の事由で3か月以上滞在される場合は「長期ビジタービザ」のカテゴリーになります。
ビジタービザでは就労はできませんのでご注意ください。

  • 長期ビジタービザ
  • 臨時労働者ビザ
  • パスポート・タランビザ
  • 学生試験ビザ
  • 長期学生ビザ
  • 未成年学生ビザ
  • 家族滞在ビザ
  • ワーキングホリデービザ

なお、ビザの要件は随時更新されていますので、最新情報に関しては必ず在日本フランス大使館の公式サイトやフランス政府のサイトを参照し、分からないことは直接問い合わせて確認することをお勧めします。(以下、英語のフランス政府公式サイト)

https://france-visas.gouv.fr/en/web/france-visas/
https://france-visas.gouv.fr/en/web/france-visas/tourist-or-private-visit

在日本フランス大使館サイト

私が取得したビザ

まず、私が取得したビザは、Long-stay “visitor” visaになります。
こちらのビザは、現地入国後3か月以内に有効化することで滞在許可証としての効力を持つものになります。
VLS-TSというカテゴリーになります。
フランス大使館で特に詳しい案内もなかったのですが、日本国籍の方でビジタービザを申請される場合は、たいていこちらのビザの申請になると思います。

フランス政府公式サイト参照

※私は夫に帯同する形での入国であり、自身の留学でもなく、家族がフランス人でもなく、現地で就労する予定もなかったので、こちらで申請しました。
その他、退職後にフランスに住みたい、語学留学だけど大学にみっちり通うわけではない、長く滞在しながら観光をしたい、フランス人の恋人と暮らしたい、などの場合に、ビジタービザを申請される方が多いようです。

申請可能期間

まず、長期ビザの申請は出国予定日の3か月前から可能です。
在日本フランス大使館の公式サイト曰く、出国予定日の1か月前までに申請を行うことが推奨されていますので、余裕を持って申請しましょう。
なお、知人で長期留学ビザを2週間を切った状態で申請した際、1週間で発行されたという事例もありましたが、留学の場合とビジターの場合では状況が異なる可能性もあります。
また、万が一、書類不備などで手戻りがあった場合は、再度大使館の予約枠を取って再訪問(予約枠が1か月以上埋まっている可能性あり)となる可能性もあるとのことなので、書類は慎重に準備しましょう。

申請手順

有効な滞在許可証発行までの手順は、以下の通りです。
※本記事ではビザ受け取りまでを解説。有効化については後続記事で解説します。

  1. 必要書類をそろえる
  2. フランス政府サイトでアカウントを作成する(申請書のダウンロード)
  3. 在日本フランス大使館の予約を取る
  4. 在日本フランス大使館の窓口で申請書類を提出する
  5. 郵送でビザを受け取る
  6. 出国
  7. 入国
  8. オンラインで有効化(滞在税の支払い含む)
  9. OFII(フランス移民局)主催の健康診断を受診する

必要書類の要件が細かい上に、詳しく記載されていないため、大使館に問い合わせをしたりして揃えたので、書類を揃えるのに一番時間がかかりました。
個々人によって状況も異なると思うので、この点に関しては早めの準備をお勧めします。
そして、ある程度必要書類を整えられる目途が付いたらフランス大使館のサイトにて申請枠の予約を取りましょう。
※コロナ開けで申請が多くなっているためか、2023年5月時点では、1か月以上先まで埋まっている状況でした。
必要書類が完全にそろってからの予約では遅きに失する可能性があるので、「めどがついたら」予約をされることをお勧めします。
ただし、1人で2枠以上とることはできないので、「仮押さえ」などはできません。
予約の変更をする際は、元の予約をキャンセルして取り直す必要があります。

長期ビジタービザの必要書類について

それでは私が個人的に一番苦労をした書類集めから、体験談をご紹介します。

ビザ申請に必要な書類は、こちらのサイト(フランス政府サイト)に記載されていますが、最初に自身の状況を入力してから必要書類が出力される形で、入り口から何だかすごく分かりづらいです。

まず、上記リンクに飛び、「Do you need a visa?」をクリックします。

ビザHP

そうすると、現状の自分の状況を入力する画面が出てきますので、入力します。

ビザ画面

  1. 国籍
  2. 年齢
  3. フランス人と結婚しているか否か
  4. EU加盟国(フランスを除く)、EEA、スイス連邦、または離脱協定の受益者である英国籍の家族の一員と一緒に参加または旅行しますか?
  5. 申請国
  6. ビザのタイプ(90日以上か否か)
  7. フランス領のどこに滞在するか
  8. パスポートの発行国
  9. パスポートの形態(一般か、公用か、など)

上記に沿ってそれぞれ入力します。
すると、自分に必要なビザのタイプを教えてくれます。

ビザ

  1. ここでは、「Visitor」を選択
  2. ここでは「Visitor(adult)」を選択

すると、必要書類のリストが出てきます。
基本的に、ビジタービザであれば皆同じ画面が出てきます。
これをもとに、申請書類を準備していきます。

必要書類リスト

長期ビジタービザ申請に必要な書類リスト

先ほど出力したリストをもとに、私が準備した書類は以下です。
また、Googleで必要書類を検索すると、なぜだか以下のリンクのPDFのみ発見されたので、URLを共有します。(フランス大使館が昔作成して公開していたもののようですが、現在公式サイトからこのPDFに直接飛ぶリンクは見当たりませんでした)

ビジタービザ申請必要書類等リスト

※以下、書類は全て英語かフランス語(戸籍謄本のみフランス語の法定翻訳)で用意しました。また、全て原本で出しました。

  1. 長期ビザ申請書1部(サインはパスポートと同一のもの)
  2. パスポート(2ページ以上の空白ページあり)
  3. 証明写真(4.5×3.5cm ※両方の眉が見えている状態)
  4. 日本以外の国籍の場合、有効な在留カード
  5. 滞在の目的(動機書)
  6. フランス滞在期間中の日本における社会的立場を証明する書類
  7. 労働しない旨の誓約書
  8. 経済証明書
  9. 住居証明
  10. フランス入国日から全滞在期間をカバーする、フランスで有効な医療保険証書(長期海外旅行傷害保険)
  11. 同行家族がビザを申請する場合:戸籍に関する公的証書、及び同行家族のパスポートコピー
  12. レターパックプラス(住所、氏名を必ず記載)
    ※ビザ返送用です。
  13. 申請料金
    ※99ユーロですが、為替相場によって日本円の価格が変動するため、当日窓口に着いたら待合室内にある張り紙を参考に、その場で金額を揃えてください。
    私は小銭をたくさん持参しました。

なお、上記は全て原本を提出しました。原本がないものは印刷したもので大丈夫でした。
なお、書類の順番を上記の通り、並べていかないと怒られるようです。
また、併せてコピーを1部ずつとって持ってこい、A4で!と公式サイトにはあるのですが、実際は、自分のパスポートのコピー以外は「不要です」と全て返却されました。
謎すぎる。いらないならそう書いてほしいですよね、コピーもタダじゃないんだから(怒)!

以下、上記項目の中で特に頭を悩ませ、大使館に直接聞いたりして揃えた書類の詳細について記載します。

滞在の目的(動機書)について

任意フォーマットで可能です。
私の場合、夫の帯同であること、滞在中はフランスの文化や言語への造詣を深める、的なことをサラッと書きました。
通常の英語のビジネスレターの作成の仕方をGoogleで検索して、好みのフォーマットで記載してください。
日付と、自身のパスポート表記名と併せて直筆サインは記載しましょう。

フランス滞在期間中の日本における社会的立場の証明について

私は仕事を休業して帯同したため、職場から在籍証明書をもらい、その中に休業中である旨を記載してもらいました。(在籍しているのみではなく、休業中である旨も追記する必要がある旨、大使館に直接聞きました)
こちらも英語でビジネスレターの体裁で、以下を網羅しました。

  • 自身のパスポート表記名
  • 上司の職・氏名
  • 上司の直筆サイン
  • 職場の正式名称、住所
  • 日付

労働しない旨の誓約書について

こちらも昔はフォーマットが大使館のサイトにアップされていたようですが、現在はリンクが見当たりません。インターネットで見つけたリンクを共有します。
フォーマットリンク

経済証明書について

原則として、申請者自身の経済証明書(申請日一か月以内に発行された申請者名義の銀行の残高証明書)が必要です。
以前大使館が出していたリストには約250万円に相当する、またはそれ以上の滞在資金があることを証明せよ、と記載がありましたが、現在はどこにも要件が書かれていません。
念のため、自身の口座には250万円以上(円安を考慮してさらに多めがベター)入れておくといいと思います。
また、特例として、申請者のフランス滞在費の正式な保証人となる、第三者の経済証明書の提出も可能です。
その場合は以下のものが必要です。

  • 保証書
  • 1か月以内に発行された保証人名義の残高証明書
  • 過去3か月分の給与証明書、または労働契約書、もしくは定期的に収入があることを証明する書類

私の場合は、自分の残高証明書に加え、念のため、夫のサイン入り保証書、残高証明書、会社からの派遣中の手当金総額が記載された夫の上司のサイン入り覚書を提出しました。

住居証明について

これも中々準備が厄介な書類です。
状況に応じて提出書類が違いますが、個人の家に住まわせてもらう場合は大家さんに提出してもらうものがあるので、早めに依頼しましょう。

  1. 住居を賃貸または所有している場合:賃貸借契約書(契約書作成が1か月以上前の場合、最新の日付の家賃領収書も提出)、または物件所有証明書
  2. 第三者が住居を提供する場合
    ・住居提供者が作成した住居提供証明書。提供者の署名があり、作成日、受け入れ期間が明記され、また、どのような立場で申請者に住居を提供するのかが確認できるもの。なお、家賃を払う場合は、上記証明書に家賃の金額を明記、無料の場合は、無料で住居を提供する旨が記載されていること。
    ・住居提供者の身分証明書の両面コピー
    ・住居提供者名義の賃貸契約書または物件所有証明のコピー
    ・一か月以内に発行された住居提供者の住所を証明する公的書類(公共料金の請求書など)または住居提供者の最新の家賃領収書
  3. ホテルに滞在する場合:フランス到着日から3か月間のホテル予約書

私の場合、夫の派遣先の寮に滞在予定だったので、寮の契約書を提出しました。また、寮に入る前にホテル、airbnbなども1か月利用したため、全ての証明を提出しました。
寮は家賃がかかっていましたが、特段家賃の金額等も記載がないものでしたが、大使館に問い合わせたところ、それで大丈夫だとのことでした。寮への入居なので、ここでは上記1番扱いだったのかなと推測します。
また、データでしか契約書がなく原本ではありませんでしたが、大丈夫でした。
ここで、入居者全員の氏名(パスポート表記名)を記載してもらうのは忘れないでください。万が一、契約者名だけの記載しかないと、それ以外の同居人については、ビザ申請書類としてはNGな可能性があります。
なお、ホテルとairbnbは予約時に発行される予約書のコピーの提出で可でした。(原本は存在せず。一応、原本がない旨は、予約書を印刷した紙に英語で記載しました。)
また、airbnbの予約書はオンラインで自動で出力されたものだったので少し心配でしたが、ビザ申請用に、滞在者全員の名前を入れられるように設定でき、問題なく受領されました。
なお、ホテルの予約書だけは、契約者名義でしか出せないと言われ(夫の名前のみ記載)、私の名前が入っていなかったのですが、余白部分に夫のサイン入りで、私の名前を記載し、私を同宿させる旨のメモ書きをして持っていきました。

戸籍に関する公的証書

私の場合、夫への同行という目的で動機書を書いているため、戸籍謄本にアポスティーユを付け、さらに法定翻訳を付けて提出する必要がありました。
これは大使館にも確認済みです。
また、この場合、夫のビザ承認が下りた後でないと、私のビザ承認も下りないと言われ、実際に、夫のビザが先に届き、1週間後くらいに私のビザが届きました。

そもそも、「アポスティーユって何?」状態だった私ですが、さすが日本のお役所、外務省のサイトに詳しく書かれていたので、参照してみてください。
申請書もオンラインでダウンロードでき、申請手順、おおよその手続きにかかる期間も丁寧に記載されています。日本の役所って素晴らしい!

外務省サイト

郵送で申請し、1週間以内に返送されます。

また、そのあと、受け取ったアポスティーユ込みで、戸籍謄本自体を、フランス大使館が公認する翻訳所に法定翻訳を依頼する必要があります。

ここから、翻訳機関を選び、直接依頼をしました。
お急ぎ指定をしなくても、2~3日でやってくれるところがほとんどです。
余裕をもって1週間あれば大丈夫だと思います。

ビザ申請用のアカウント作成し、申請書を入力する

次に、フランス政府のサイトにて、申請用のアカウントを作成し、申請書を記入、記入済み申請書をダウンロードします。

この申請書と、先ほど説明した各種書類を併せて、フランス大使館に提出しに行きます。

アカウントはこちらから作成可能です。
以下の画面の、New User?からアカウントを作成してください。

ビザHP

アカウントを登録すると、ログインできるようになりますので、そこから申請書にオンライン上で回答(記載)します。
入力は英語で行います。
氏名、出生地、既婚か否か、パスポート情報、現住所、勤務先、雇用主、連絡先、フランスでの滞在先、同行家族の情報などを入れます。
ビザの申請理由欄は「Private stay/ Visitor」を選択します。

全ての事項に答え、申請書を送信(提出)すると、自動応答メールで、申請完了の旨のメールが来ます。
なお、そのメールでは、「Registration receipt」(※申請後にアカウント上でダウンロード可能)を申請時に持ってくるように指示がありましたが、実際は不要でした。

在日本フランス大使館の予約を取る

在日本フランス大使館の予約は最近だと1か月以上先まで埋まっていることもあるので、早めに行いましょう。
必要書類を揃えながら取ることをお勧めします。
戸籍謄本のアポスティーユ、法定翻訳の取得などに時間がかかると思うので、こうした手続きのめどがつき次第の予約を取るといいと思います。

こちらから予約を取ります。

ここで注意するのは、必ず1人1枠の予約を取ってください。
お子さんなどでも必ず1枠の予約が必要です。
また、申請の際には、書類は必ず全員分、一式用意してください。(原本が1部しかない場合は、コピーで可)

予約後は、QRコードのついた予約確認書が自動で送られてくるため、それを印刷して持って行ってください。
大使館の入り口で確認されます。

予約した時間帯に大使館に行って申請手続きをする

予約した時間になったら、大使館に行き、用意した書類を提出し、申請料金を払います。
簡単に書類はその場でざっと見ているようで、不要な書類や不足な書類があればその場でいわれるようです。
申請書の中身も見られ、適宜質問なども受けました。
そして、その場で写真を撮られます。

待ち時間併せても30分以内で終わりました。

申請料金の支払い後は、B5くらいの大きさのリファレンス番号の書かれた領収書を渡され、なくさないようにと言われます。
そのリファレンス番号で、作成したアカウントから自分のビザの手続きの進捗状況を確認することができます。

レターパックでビザのついたパスポートが返送される

通常、大体1か月くらいでレターパックが返送されます。
なお、私の場合、夫のビザ承認が下りてからの手続きになる、と言われていましたが、夫のビザ申請の方が後になったため、1か月半ほど待ちました。
夫のビザは、ギリギリで提出したものの、なんと1週間で発行されましたが、夫のビザが届いて1週間たっても、(私のは1か月以上前に申請したにも関わらず)一向に音沙汰なし。
出発日の5日前になってもアカウント上でも進捗に変化がなかったので不安になり、大使館にメールで問い合わせたところ、即日で、承認される旨の返答があり、当日中に発送処理がされました。
もしかして、忘れてたんじゃね・・・?と訝っているところです。
なので、もし一向に発行されない!ということがあれば、問い合わせてみることをお勧めします。
書類に不備等はなく、手戻りもありませんでしたが、結果的に、出発ギリギリにビザを受け取ることができました。

なお、アカウント上で進捗を確認し「Your passport is ready to be collected」の表記が出れば、ビザが承認された、ということです。

日本出国→フランス入国

さて、いよいよフランス入国です。
入国の際には、必ず入国スタンプを押してもらってください
もし、押してもらえなかった場合は、航空券の半券を捨てないでおいてください。

後で滞在許可証への有効化をする際に、入国日を聞かれます。ただ、入国スタンプをどこかに見せることもなかったので、なくてもなんとかなるのかなと思っているところではあります。

まとめ

以上、フランス長期滞在ビジタービザ申請について、私の体験談と参考情報を解説しました。
フランスのこの手の情報に関しては、きちんとした情報があまりなく、またフランスビザの申請にはたくさんの書類が必要で、要件も細かいにも関わらず、公式サイトに情報が網羅されていない!というフラストレーションを皆さん抱えていることと存じます。

この記事が少しでもお役に立てていれば幸いです。
ただ、状況が変化しうること、また、個々人によって状況が異なることから、分からないことは公式サイトで確認の上、大使館に問い合わせることが必須です。返事はすぐに来ます。
手戻りになるとまたどれくらい待たされるか分かりませんので…

次の記事で、滞在許可証への有効化について記載します。

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